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PERSONAL GYM / STARTUP COST

パーソナルジムの開業資金は約300〜800万円|内訳と資金調達の方法

パーソナルジムの開業資金は、標準モデルで約530万円、幅でいうと約300〜800万円が目安です。飲食店や24時間ジムと比べると、必要な設備が少なく初期費用は抑えやすい業態です。総額を決めるのは物件・内装・マシンの選び方で、ここを工夫すれば300万円台まで圧縮できます。内訳と調達方法を順に確認します。

標準モデル
約530万円
低コスト型
約300万円〜
最大費目
内装・マシン
自己資金目安
約3割

監修: 山本貴大(店舗マーケティング専門家) / 公開日: 2026年6月1日

結論:標準約530万円、工夫で300万円台まで圧縮できる

パーソナルジムは在庫を持たず、厨房設備のような大型投資も不要なため、店舗ビジネスの中では開業資金が小さい部類です。標準モデルで約530万円、設備を新品で揃えて好立地を狙うと800万円近くまで上がり、居抜き・中古・小坪を選ぶと300万円台に収まります。資金の大きさは、そのまま回収までの期間に効いてきます。回収の前提になる収支は パーソナルジムの利益率 で確認できます。

開業資金の内訳(標準モデル)

15坪・準都心・設備を新品で揃えた場合の目安。物件と仕様で実数は変動します。

物件取得費 保証金・礼金・仲介手数料(月8〜13万円の小規模物件を想定。好立地は上振れ)
¥800,000
内装工事 床補強・鏡・更衣スペース・空調
¥1,500,000
マシン・備品 フリーウェイト・ラック・有酸素マシン
¥1,800,000
予約・決済SaaS 会員管理・予約・キャッシュレス決済の初期
¥100,000
什器 受付・収納・小物
¥200,000
開業前広告 Web広告・MEO・チラシの先行投資
¥300,000
運転資金 黒字化までの家賃・人件費の手元資金
¥600,000
開業資金 合計
¥5,300,000

内装工事とマシン・備品の2費目で初期費用の6割以上を占めます。運転資金は、黒字化までの数か月を支える手元資金です。開業初月から損益分岐点を超えることはまれなため、運転資金を削りすぎると資金繰りが先に行き詰まります。

開業資金を圧縮する3つのレバー

LEVER 1

居抜き物件を選ぶ

内装を最大100万円圧縮

前テナントの内装・設備を引き継げる物件なら、内装工事を大きく削れます。ジム・整体・サロンの居抜きは相性が良く、床補強や鏡が残っていると効果が大きくなります。

LEVER 2

中古・リースのマシンを使う

マシン費を50〜100万円圧縮

フリーウェイトやラックは中古市場が成熟しています。新品にこだわらず、状態の良い中古やリースを組み合わせると、初期のマシン費を抑えられます。

LEVER 3

小坪・マンション一室型にする

物件・内装をまとめて圧縮

完全予約制なら10坪前後でも運営できます。マンションの一室を使う形なら物件取得費と内装費の両方を抑えられ、総額を300万円台に近づけられます。

3つを組み合わせると、標準約530万円の開業資金を約300万円台まで下げられます。ただし圧縮しすぎて立地や設備の質を落とすと、集客と単価に跳ね返ります。回収できる範囲で削るのが前提です。

資金調達の方法

自己資金(目安は3割)

開業資金の3割程度が一つの目安です。標準モデル530万円なら約160万円。創業融資の審査でも自己資金の比率は見られるため、全額借入の前提は立てにくいのが実態です。

日本政策金融公庫の創業融資

創業前後の事業者向けに、新規開業資金などの融資制度があります。自己資金と合わせて不足分を調達するのが一般的で、創業計画書と収支計画の精度が審査に影響します。

補助金・助成金

小規模事業者持続化補助金など、販路開拓や広告費に使える制度があります。後払い・対象経費の限定といった条件があるため、開業時の設備費すべてに使えるわけではありません。創業段階で使える制度は診断で確認できます。

資金調達は、開業段階の事業者がつまずきやすいポイントです。創業融資・補助金の使い方は 資金・補助金ガイド にまとめています。

資金調達の手段|性質と向く費目の早見表

開業資金は1つの手段で賄うものではなく、性質の違う調達を組み合わせます。返済不要の自己資金を土台に、設備は融資やリース、広告やITツールは補助金、と費目に応じて使い分けます。

手段 性質 向く費目 注意点
自己資金 返済不要 費目を問わず充当できる 公庫の審査で確認材料になる。一定額あると説明しやすい
公庫の創業融資 借入(返済あり) 設備・運転資金の主軸 創業計画書と収支計画の精度が審査に効く
民間金融機関・制度融資 借入(返済あり) 高額・公庫で足りない分の協調 信用保証協会付きが多い。公庫と併用
補助金(持続化・IT導入など) 原則後払い・対象経費限定 広告・販路開拓・ITツール 採択前提にしない。先に支払い、後で受給
リース・割賦 分割払い マシン等の設備の現金支出を平準化 総額は割高。月々の返済が固定費に乗る

補助金は原則として後払いで、対象経費も限られます。開業時の設備費の大半は融資と自己資金で賄う前提で計画を組み、補助金は使えれば上乗せ、と考えると資金繰りが安定します。制度の詳細は補助金・助成金のページで確認できます。

自己資金別の資金プラン|いくら用意できるかで開業の形が決まる

開業の形は「いくら借りられるか」より「いくら自己資金を用意できるか」から逆算すると現実的です。公庫の開業者の自己資金は平均で約2割とされ、用意できる自己資金に応じて狙える開業タイプが変わります。

自己資金 必要な借入の目安 現実的な開業タイプ
100万円 約200〜300万円 低コスト型(居抜き・中古マシン・小坪)で300〜400万円規模
160万円 約370万円 標準モデル(15坪・準都心・設備新品)530万円規模
250万円〜 約450〜550万円 好立地・設備充実の上位型(700〜800万円)も視野

自己資金が少ないほど、居抜き・中古・小坪で総額を下げる設計が前提になります。借入は返済として固定費に乗るため、無理のない返済額に収まる総額から逆算します。公庫の創業融資には無担保・無保証人の枠もありますが、返済は必ず発生します。月々の返済が利益を圧迫しない水準に総額を収めることが、開業後の資金繰りを楽にします。

資金調達の手順|申込から融資実行まで

創業融資は、思い立ってすぐ下りるものではありません。収支計画を固め、自己資金を確認し、創業計画書を作って面談に臨む流れで、申込から融資実行まで一定の期間がかかります。発注の順番を間違えないことが大切です。

  1. STEP 1

    収支計画とモデルを固める

    開業3〜4か月前から、会員数・単価・固定費の収支モデルを作ります。融資審査で見られる創業計画書の土台になります。

  2. STEP 2

    自己資金と不足額を確定する

    用意できる自己資金を確認し、総額との差を借入額として置きます。公庫の開業者の自己資金は平均で約2割とされ、2〜3割あると説明しやすくなります。

  3. STEP 3

    公庫へ相談・創業計画書を作成

    日本政策金融公庫の創業融資窓口へ相談し、創業計画書と収支計画を提出します。数値の根拠の精度が審査に効きます。

  4. STEP 4

    面談・審査(申込から約1か月)

    面談を経て審査され、融資実行まで申込からおおむね1か月程度が一つの目安です(時期・案件で前後します)。

  5. STEP 5

    発注は融資の見込みが立ってから

    物件契約・内装・マシンの発注は、融資の見込みが立ってから動きます。先に発注すると、実行前に資金が必要になり詰まります。

資金繰りでつまずく4つの失敗

開業資金の計算は合っていても、お金の動く順番を読み違えると資金繰りで詰まります。着手前に当てはまるものがないか確認してください。

  • 初期費用に全資金を入れて運転資金ゼロ

    開業初月から黒字になることはまれです。運転資金を残さないと、損益分岐に届く前に資金繰りが止まります。

  • 融資実行前に発注してしまう

    内装やマシンを先に発注すると、融資が下りる前に支払いが発生し、二重に資金が必要になります。

  • 補助金を開業資金に当て込む

    多くの補助金は後払い・対象経費限定です。採択前提・先払い前提で資金計画を組むと、入金前に行き詰まります。

  • 自己資金ゼロで全額借入を狙う

    自己資金が乏しいと創業融資の審査で説明が難しくなります。ある程度の自己資金は用意しておくほうが、計画の説得力が増します。

FC型と個人開業の資金差

ここまでの内訳は個人開業を前提にしています。フランチャイズ(FC)に加盟する場合は、加盟金・研修費・保証金などが別途必要になり、初期費用は個人開業より高くなる傾向があります。金額は本部により大きく異なり、ブランドや店舗規模で条件が変わるため、具体的な金額は各FC本部の最新資料で確認してください。

FC加盟と個人開業の判断軸は パーソナルジムのビジネスモデル で整理しています。開業に必要なものの全体像は パーソナルジム開業に必要なもの を参照してください。

よくある質問

Q. パーソナルジムの開業資金はいくら必要ですか?
標準モデルで約530万円、レンジでは約300〜800万円が目安です。15坪・準都心の物件を借り、内装とマシンを新品で揃えると530万円前後になります。居抜き物件や中古マシン、小坪のマンション一室型を選べば、300万円台まで圧縮できます。
Q. 開業資金で一番大きいのは何ですか?
内装工事とマシン・備品です。標準モデルでは内装が約150万円、マシン・備品が約180万円で、この2つで初期費用の6割以上を占めます。ここを居抜きや中古でどう抑えるかが、総額を左右します。
Q. 自己資金はいくら用意すればいいですか?
開業資金の3割程度が一つの目安です。標準モデル530万円なら約160万円になります。日本政策金融公庫の創業融資でも自己資金の比率は審査で見られるため、不足分を借入で補う前提でも、ある程度の自己資金は用意しておくほうが有利です。
Q. 開業資金は借入で調達できますか?
調達できます。代表的なのは日本政策金融公庫の新規開業資金で、自己資金と合わせて不足分を借り入れる形が一般的です。創業計画書と収支計画の精度が審査に影響するため、収支モデルを固めてから申し込みます。
Q. 使える補助金はありますか?
小規模事業者持続化補助金など、販路開拓や広告費に使える制度があります。多くは後払い・対象経費が限定されるなどの条件があり、開業時の設備費すべてに使えるわけではありません。創業段階で使える制度は、補助金診断で確認できます。

データ出典・注記

  • 開業資金の内訳は、経済産業省「特定サービス産業実態調査」、業界誌 Fitness Business の公開データと、一般的な出店事例を 2026年5月時点で集約した業界目安です
  • 標準モデルは15坪・準都心・設備新品を前提とし、物件条件・内装仕様・マシン構成で実数は変動します
  • 融資・補助金の制度内容と条件は、日本政策金融公庫および各制度の公式情報をご確認ください。本記事は制度の概要を示すもので、採択・融資を保証するものではありません
  • FC加盟金・保証金は本部により大きく異なります。具体的な金額は各FC本部の最新資料でご確認ください