MARKET DATA / 開業の需要データ
フィットネス開業の需要・市場データ
開業を判断するとき、まず押さえたいのは「どこに・どれだけ需要があるか」です。このページは、運動・スポーツ実施率や年代別・都道府県別の需要×供給・種目別の傾向(スポーツ庁・令和7年度)を軸に、フィットネスクラブの市場規模と推移(経済産業省・e-Stat)まで、二次情報の推計ではなく公的な一次統計から出典付きで開業視点で整理しました。下のカードは運動実施率の概況です。
- 週1日以上の実施率
- 51.7%
- 令和6年度 52.5%(−0.8pt)
- 男性
- 55.0%
- 令和6年度 55.6%
- 女性
- 48.8%
- 令和6年度 49.6%(差6.2pt)
- 運動習慣者
- 26.9%
- 週2日以上・30分以上・1年継続
出典: スポーツ庁「スポーツの実施状況等に関する世論調査」令和7年度(公表 2026年3月11日、全国18〜79歳の男女・有効回収40,000件、本ページは20歳以上の集計値) / 監修: 山本貴大(店舗マーケティング専門家) / 取得日: 2026年6月6日
フィットネスクラブの市場規模と推移
市場全体の規模は令和3年経済センサス‐活動調査(2021年調査・売上は2020年実績)、コロナ後の推移は特定サービス産業動態統計(売上規模の大きい企業を対象とする標本調査)から。いずれも経済産業省の公的統計を e-Stat API で取得しています。
市場全体の規模(令和3年経済センサス‐活動調査・2021年調査/売上は2020年実績・民営事業所総数)
- 年間売上(収入)
- 約5,040億円
- 504,037百万円
- 事業所数
- 5,903
- 全国
- 従業者数
- 約7.5万人
- 74,645人
- 個人からの収入
- 約88%
- BtoC中心・442,345百万円
売上高の推移(2019年=100の指数)
特定サービス産業動態統計(売上規模の大きい企業)による売上高の指数で、コロナ前の2019年を100としています。市場全体の規模(上の5,040億円)とは調査範囲が異なるため、絶対額ではなく推移の形だけを示します。
フィットネスクラブ市場は全体で年間売上(収入)約5,040億円・事業所数5,903(令和3年経済センサス‐活動調査・2021年調査、売上は2020年実績、民営事業所総数)の規模で、収入の約88%は一般消費者からのBtoC中心です。コロナ後の動きを売上規模の大きい企業の指数(2019年=100)で見ると、2020年は新型コロナで67(約33%減)まで落ち込み、その後は回復基調で2024年は87まで戻しています。会員数も2019年比で約86%まで回復しました。市場は一度大きく縮んでから回復している局面にあり、開業を考えるうえでは、この回復基調と、業態ごとの需要の違い(後述の種目別データ)をあわせて見ることが大切です。
市場全体の規模は令和3年経済センサス‐活動調査(2021年調査・売上〈収入〉は2020年実績。民営事業所総数〈個人経営を含む〉を対象とする最も網羅的な公的統計)です。推移は特定サービス産業動態統計(売上規模の大きい企業を対象とする標本調査で、市場全体の総量ではありません。2024年12月で終了し、2025年1月分から総務省「サービス産業動態統計調査」に統合)の売上高を、コロナ前の2019年=100とした指数で示しています。両者は調査範囲が異なり絶対額では約2倍強の差があるため、規模は経済センサス、推移は指数として、両者を絶対額で混在させていません。出典: 経済産業省/e-Stat(政府統計の総合窓口)、取得日 2026年6月7日。
週1日以上の運動・スポーツ実施率は51.7%
20歳以上で週1日以上運動・スポーツをする人の割合は51.7%で、前年度(令和6年度)の52.5%から0.8ポイント減りました。令和4年以降はほぼ横ばいで推移しています。成人の約半数が日常的に体を動かしている計算で、需要の裾野は広いといえます。男女別では男性55.0%・女性48.8%と、男性が6.2ポイント高く、特に10〜40代で男女差が大きくなっています。なお、この実施率はフィットネスクラブの入会需要を直接示すものではなく、需要側の動きを読む指標として扱います。
希望と実態のギャップ|潜在需要の伸びしろ
「今後 週1日以上したい」という希望率と、直近1年の実施率の比較(20歳以上・令和7年度)。差が潜在需要の目安になります。
「今後 週1日以上運動したい」と答えた人は全体で63.3%に上り、直近1年の実施率51.7%との差は11.6ポイントあります。運動したいのにできていない層が一定数いるということで、需要の伸びしろを示します。差が最も大きいのは女性(希望61.5%・実態48.8%・差12.7ポイント)で、続けやすさや通いやすさの設計しだいで取り込める可能性があります。
年代別の実施率|働く世代が谷、シニアが高い
週1日以上・全体(令和7年度)。30〜50代が低く、60〜70代が高い傾向です。
30〜50代の働く世代は45〜47%と低く、仕事の忙しさが運動から遠ざける要因になっています。一方で60代55.1%・70代65.1%とシニア層は高く、健康寿命への関心の高さがうかがえます。狙う客層によって、訴求すべき価値(時短か、安全・通いやすさか)が変わります。商圏の年齢構成とあわせて見極めます。
都道府県別の実施率|地域差を立地判断に
週1日以上・全体(令和5〜7年度の合算、20歳以上)。実施率が高い地域・低い地域の上位5・下位5です。
実施率が高い 上位5
実施率が低い 下位5
実施率は東京都56.4%を筆頭に、福岡・石川・奈良・神奈川などで高く、東北の各県で低い傾向です。人口が最大の大阪府は50.8%(26位)、愛知県は51.0%(25位)と、人口規模と実施率は必ずしも一致しません。出店エリアを選ぶときは、人口だけでなくその地域の運動習慣の強さも判断材料になります。
都道府県別の需要×供給|立地のヒント
需要(週1日以上の実施率・R5〜R7)と供給(人口10万人あたりのフィットネスクラブ事業所数・令和3年経済センサス2021)を掛け合わせた、県レベルの相対図です。全国は実施率52.1%・供給4.68件/10万人。
需要が高く 供給が薄い
相対的に参入余地
神奈川・千葉・兵庫・広島・岡山・大分
需要も供給も高い
差別化と立地精度が要る
東京・福岡・石川・奈良・鹿児島・沖縄
供給密度が相対的に高い
飽和ぎみの可能性
山形・滋賀・愛知・大阪・三重・岐阜
需要も供給も低い
商圏の人口と競合を精査
茨城・福島・徳島・高知・熊本・北海道
需要(実施率)が全国平均より高く、供給(事業所密度)が平均より薄い県は、相対的に参入の余地があります。神奈川・千葉・兵庫・広島・岡山などが該当します。一方で東京・福岡は需要が厚い分だけ店舗も多く、差別化と立地の精度が問われます。山形・滋賀のように実施率が平均未満でも密度が高い県は、供給が相対的に多く飽和ぎみです。
都道府県は出店判断には粗い単位で、実際の集客は市区町村〜駅商圏で決まります(県内でも都市部と郡部で大きく異なります)。供給は経済センサス2021の「フィットネスクラブ(80H)」の民営事業所数を人口で割った密度で、ヨガ・ピラティス専門スタジオなど別分類の業態や、業態構成・所得・競合の質は含みません。需要はR5〜R7合算の実施率(代理指標)で、供給とは時期・粒度の前提が異なります。全国平均(実施率52.1%)付近の県は境界として弱めに見てください。県レベルの相対的な目安として扱い、最終判断は商圏分析で行ってください。出典: スポーツ庁/経済産業省・総務省(政府統計の総合窓口 e-Stat)。
種目別の実施状況|どの運動に需要があるか
この1年間に実施した種目(令和7年度・n=40,000・複数回答)。施設ビジネスに関わる主な種目を、全体の実施率が高い順に抜粋しています。バーは全体、下に男性・女性の内訳です。
男性 61.7%/女性 59.3%・有酸素・屋外中心
男性 14.8%/女性 10.1%・ジムの中核
男性 16.5%/女性 5.1%・有酸素
男性 7.5%/女性 13%・女性が高い
男性 10.2%/女性 6.9%・有酸素・屋外中心
男性 1.4%/女性 10%・スタジオ系・女性中心
男性 0.8%/女性 2.5%・女性が高い
全体で実施率が高いのはウォーキング(60.3%)やランニング(10.7%)といった屋外の有酸素運動ですが、施設ビジネスに直結するのは筋力トレーニング(全体12.3%)とスタジオ系(エアロビクス・ヨガ・バレエ・ピラティス、全体5.7%)です。筋力トレーニングは男性14.8%・女性10.1%とジェンダー差が小さく、 パーソナルジム や 24時間ジム は男女どちらも見込み客になります。一方スタジオ系は女性10.0%が男性1.4%の約7倍で、 ピラティス や ヨガ のような女性中心の専門スタジオに市場性があることを示しています。体操(女性13.0%)やダンス(女性2.5%)も女性の実施率が高く、女性向けプログラムの裾野の広さがうかがえます。なお、この1年間に運動・スポーツをしなかった人は21.7%(男性18.5%・女性24.8%)でした。
この集計は「この1年間に実施したか(頻度は問わない)」を聞いた設問で、本ページ冒頭の週1日以上の実施率(51.7%)とは設問が異なります。ウォーキングのように単一種目が51.7%を上回るのはこのためです。屋外の身体活動も含む広義の運動・スポーツのため、ジム・スタジオの利用率と直接は一致しません。需要の方向性を読むための代理指標として扱ってください。
続けている人は4分の1|継続率も重要な論点
週2日以上・1日30分以上の運動を1年以上続けている運動習慣者は、20歳以上で26.9%です(前年度と同水準)。日常的に運動する人の中でも、継続できている層は限られます。会員制ビジネスでは、新規を集めることと並んで、入会後に習慣化してもらう設計(継続率)も収益を左右する重要な論点になります。継続率と集客の関係は 集客のページ でも解説しています。
運動を妨げる理由|時間と心理的ハードル
運動・スポーツを「これ以上増やせない・実施できなかった」理由(週1日以上・年51〜100日の層 n=7,344・複数回答・令和7年度)。上位2つです。
妨げる理由の上位は「面倒くさいから」(36.4%)と「仕事が忙しいから」(36.1%)です。心理的なハードルと時間が二大障壁といえます。短時間で終わる導線、予約のしやすさ、通うほど習慣になる仕組みが、この障壁を下げる手がかりになります。
データから読む、開業判断の視点
需要の母数は成人の半数
週1日以上の運動・スポーツ実施率は51.7%で、成人の半数が日常的に体を動かしています。これはフィットネス入会の意向を直接示す数字ではありませんが、需要の裾野の広さを示す材料になります。実際の集客は商圏の人口と競合状況とあわせて検証します。
女性は実施率が低いが意欲は高い
実施率は男性55.0%に対し女性48.8%で、差は6.2ポイントです。一方で女性は「週1日以上したい」という希望が61.5%あり、実態との差(12.7ポイント)は全体・男女で最大です。女性が通いやすい時間帯・内装・プログラムの設計に、検討余地があります。
働く世代の谷
年代別では30〜50代が45〜47%と谷になり、運動できない理由の上位は「面倒くさいから」(36.4%)「仕事が忙しいから」(36.1%)です。短時間で終わる導線、予約のしやすさ、続けやすい仕組みが、この層の障壁を下げる手がかりになります。
シニアは高実施
60代55.1%・70代65.1%と、シニア層の実施率は高く出ています。健康寿命への関心を背景に、安全性と通いやすさを重視したシニア向けの設計は、検討に値する需要です。商圏の年齢構成とあわせて見極めます。
どの客層を狙うかで、向く業態と設計は変わります。業態ごとの収益構造は 業態一覧 、開業の全体像は 開業ガイド で確認できます。
よくある質問
- Q. フィットネス業界の市場規模はどのくらいですか?
- フィットネスクラブの市場規模は、年間売上(収入)が約5,040億円、事業所数が5,903です(経済産業省・令和3年経済センサス活動調査・2021年調査、売上は2020年実績、民営事業所総数)。収入の約88%は一般消費者からのBtoC中心です。コロナ後の推移を、売上規模の大きい企業を対象とする特定サービス産業動態統計の指数(2019年=100)で見ると、2020年に67(約33%減)まで落ち込み、2024年は87まで回復しています。市場規模(民営事業所総数)と推移(売上上位企業)は調査範囲が異なり絶対額に約2倍強の差があるため、規模は経済センサス、推移は指数で分けて見ます。
- Q. 日本人の運動・スポーツ実施率はどのくらいですか?
- スポーツ庁の令和7年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」によると、20歳以上で週1日以上運動・スポーツをする人の割合は51.7%でした(令和6年度は52.5%、令和4年以降ほぼ横ばい)。成人の約半数が日常的に体を動かしており、需要の裾野の広さを示しています。
- Q. 運動・スポーツ実施率に男女差はありますか?
- 同調査では、20歳以上の週1日以上実施率は男性55.0%・女性48.8%で、男性が6.2ポイント高くなっています。特に10〜40代で男女差が大きく、女性が通いやすい時間帯やプログラムの設計に、開業時の検討余地があります。
- Q. どの年代が運動していますか?開業の狙い目は?
- 令和7年度の年代別実施率(週1日以上・全体)は、20代49.6%・30代45.7%・40代46.2%・50代47.4%・60代55.1%・70代65.1%です。30〜50代の働く世代が谷になり、60〜70代のシニア層が高く出ています。時間に制約のある働く世代には短時間・予約のしやすさ、シニア層には安全性と通いやすさが手がかりになります。
- Q. 運動習慣のある人の割合は?
- 週2日以上・1日30分以上の運動を1年以上続けている「運動習慣者」は、20歳以上で26.9%です(前年度と同水準)。日常的に運動する人の中でも、継続できている層は4分の1ほどです。会員制ビジネスでは、新規を集めることと並んで、入会後に続けてもらう設計(継続率)も重要な論点になります。
- Q. どの運動・スポーツに需要がありますか?ジムとスタジオの違いは?
- スポーツ庁令和7年度調査で、この1年間に実施した種目(複数回答)はウォーキング60.3%が最多で、施設ビジネスに関わる種目では筋力トレーニング12.3%、エアロビクス・ヨガ・バレエ・ピラティス5.7%が続きます。筋力トレーニングは男性14.8%・女性10.1%と男女差が小さく、ジム系は男女どちらも見込み客になります。一方スタジオ系(エアロ・ヨガ・ピラティス)は女性10.0%が男性1.4%の約7倍で、女性中心の需要です。なおこの設問は頻度を問わない年内の実施有無のため、週1日以上の実施率(51.7%)とは集計が異なります。
出典・注記
- 実施率・運動習慣者・運動を妨げる理由の数値は、スポーツ庁「スポーツの実施状況等に関する世論調査」令和7年度(公表 2026年3月11日、全国18〜79歳の男女を対象とするWebアンケート・有効回収40,000件、本ページは20歳以上の集計値)に基づきます。公表ページ: mext.go.jp/sports/b_menu/houdou/jsa_00234.html(2026年6月6日取得)
- 都道府県別の実施率は、同調査の令和5〜7年度(R5〜R7)の合算値(20歳以上・週1日以上・全体)です。サンプル数を確保するため複数年度を合算しており、本ページ冒頭の令和7年度単年の全国値(51.7%)とは集計範囲が異なります
- 運動を妨げる理由は、週1日以上(年51〜100日)の層(n=7,344)が「これ以上増やせない・実施できなかった」理由を答えたもので、複数回答です。回答者の母集団が全体(40,000件)とは異なります
- 運動・スポーツ実施率は、フィットネスクラブの入会需要を直接測る統計ではなく、需要側の動きを読むための公的な指標です。実際の集客は商圏人口・競合状況とあわせて検証してください
- 市場全体の規模(事業所数・売上)は経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」(2021年調査・売上は2020年実績・民営事業所総数)、売上高の推移(2019年=100の指数)は同「特定サービス産業動態統計調査」が一次ソースです。後者は2024年12月で調査を終了し、2025年1月分から総務省「サービス産業動態統計調査」に統合されました。いずれも e-Stat(政府統計の総合窓口)で確認できます。両統計は調査範囲が異なり絶対額に約2倍強の差があるため、規模は経済センサス、推移は指数として、絶対額を混在させていません
- 本ページは公的統計の傾向を整理したもので、特定の店舗の集客や成果を保証するものではありません。数値は調査年度で変動します